忍者ブログ
< 08月 | 123456789101112131415161718192021222324252627282930 | 10月 >

『銀の匙』『ヨルムンガンド』

2012年01月07日

『謎解きはディナーのあとで』リアルでキュートな北川景子のお嬢様
http://npn.co.jp/article/detail/75653223/
林田力「『銀の匙』第2巻、答は一つではない畜産農業の多様性」リアルライブ2011年12月22日
http://npn.co.jp/article/detail/31620236/
 荒川弘が『週刊少年サンデー』で連載中の漫画『銀の匙 Silver Spoon』第2巻が、12月14日に発売された。『銀の匙』は北海道の農業高校を舞台に八軒勇吾の高校生活を描く酪農学園物語である。この巻では捨てられた石釜を使ってのピザ作りや夏休み中の農場アルバイトなど学校の勉強を越えた実践的な酪農生活が描かれる。

 大自然に囲まれた農業高校生活は読者の大多数を占める都市生活者の対極的な生き方である。主人公の八軒自身も都会的な価値観の中で夢を失い、農業高校生活の中で生きる意味を見出していく。しかし、本書は単純な都会にはない農村の豊かさという二項対立で終わらない奥深さがある。夏休み中に八軒は複数の農場を見学し、乳牛を殺す方針も農場によって様々であることを知る。

林田力「『家政婦のミタ』『専業主婦探偵』ガンバリズム否定の労働者像」リアルライブ2011年12月27日
http://npn.co.jp/article/detail/82400422/
林田力「桃野よしふみ世田谷区議がデジコン問題を説明」PJニュース2011年12月27日
http://www.pjnews.net/news/794/20111225_4
林田力「『ヨルムンガンド』第10巻、不気味な武器商人の意外な一面」リアルライブ2011年12月28日
http://npn.co.jp/article/detail/48757624/
 高橋慶太郎が『月刊サンデージェネックス』(小学館)で連載中の漫画『ヨルムンガンド』が、12月19日に発売された。武器商人ココ・ヘクマティアルと私兵チームの世界をまたにかけた戦いを描く。アニメ化も決定された。
 ココは世界的な海運業者の娘で、武器商人である。自身の護衛や裏家業のために私兵を擁している。クールビューティーであるが、何を考えているか分からない不気味さが漂う。世界平和のために武器を売るという一見すると矛盾する発言をしたココであるが、この巻ではココの野望であるヨルムンガルドの内容が明らかになる。
PR
▲page top

『デストロイ』第2巻、ヤンキーへの怒り

2012年01月06日

森恒二『デストロイアンドレボリューション』第2巻では主人公マコトらのテロが本格化する。目撃者も痕跡も残さず、次々と巨大建造物を破壊していく。数あるテロのターゲットの中で主人公らが巨大建造物を選択したことは興味深い。「コンクリートから人へ」を掲げた民主党が国民の圧倒的な支持を得たことが示すようにコンクリート建造物は現代日本において社会悪の象徴である。
テレビ局の挑戦を受けるなどテロ活動は社会の注目を集めるようになったが、一方でマコトは煮え切らない態度である。マコトは同級生との人間的な幸福を見つけ、心は揺れる。あくまでテロに対しては抑制的な手法を厳守していたマコトであったが、幸福を侵害するヤンキーには怒りを爆発させる。ここには悪を憎む一つの正義の価値判断が表れている。
これまで日本社会には社会の屑とでも言うべきヤンキーに甘過ぎた面がある。それが市川海老蔵に重傷を負わせた関東連合の元暴走族のような無法者を生むことになった。この点でヤンキーに対しては人体に直接攻撃する主人公は小気味良い。
しかし、主人公が正義の行動をするだけでは作品として面白みに欠けることも否めない。ここで活動の主体が主人公から、よりラディカルな思想の持ち主に変更される。能力の使用に躊躇がない人物の暴走が予感される展開となった。(林田力)
http://hayarikinet.anime-navi.net/
林田力 の書評
http://www.honzuki.jp/user/homepage/no2431/index.html
▲page top

『デストロイ』第1巻、超能力による社会変革

2012年01月06日

森恒二『デストロイアンドレボリューション』(集英社)は超自然的な能力を持つ高校生が日本社会を変えるためにテロを起こす物語である。主人公マコトは行き場のない怒りと孤独を抱える高校生である。驚異的な能力を身に付けた彼は理不尽な日本社会に破壊的な革命を目論む。
主人公が超自然的な能力を持ち、それを使って社会を変えようとする展開は定番である。代表例として『DEATH NOTE』がある。一方で本書の特徴は主人公が自分の力を用いて積極的に何かをしようとする夜神月的な存在ではないことである。主人公は受け身な人物で、計画は夜神月的存在の同級生が立てている。主人公は同級生の計画が完全に正しいものか葛藤する存在である。
現実社会を舞台にした作品において、超自然的な能力は作品世界のリアリティを破壊しかねないものである。たとえば超自然的な能力を発揮する道具を偶然拾うという展開は、いかにも漫画的である。これに対して本書では主人公のような受け身の人物が超自然的な能力を持つことが説得的に描かれている。(林田力)
http://setagaya.sankuzushi.com/
林田力hayariki韓国ドラマ
http://hayariki.yotsumeyui.com/
林田力『こうして勝った』FriendFeed
http://friendfeed.com/hayariki
▲page top

『代紋TAKE2』ヤクザの盃関係や仁義を綿密に描く

2012年01月03日

『代紋TAKE2』木内一雅原作、渡辺潤作画のヤクザ漫画である。海江田組組員・阿久津丈二は、うだつの上がらないチンピラで、弟分からも舐められる始末であった。鉄砲玉にさせられた挙句、自分が撃った弾丸の跳弾に当たり、あっけなく死亡する。ところが、何故か10年前にタイムスリップして人生をやり直す。
誰しも「あの時、別の選択をしていれば」と思うことはある。東急不動産だまし売り裁判でたとえるならば「東急リバブルからマンションを購入しなければ」となる。ゼロゼロ物件被害者ならば「ゼロゼロ物件で賃貸借契約しなければ」となる。
そのような人生のIFを『代紋TAKE2』では丁寧に描いていく。うだつの上がらないチンピラに過ぎなかった主人公はヤクザとして頭角を現していく。これまでの惨めな自分とは決別し、これからは金の代紋を目指して極道をひた走る。画がヤンキー漫画風であるために拒否感を抱く向きもいるかもしれない。しかし、ヤクザの盃関係や仁義を綿密に描いている。(林田力)
https://sites.google.com/site/lintianlisanlang/
『こうして勝った』林田力の書評
http://book.mamagoto.com/
林田力:二子玉川ライズ優先で世田谷区の家計簿に歪み
http://hayariki.x10.mx/kakeibo.html
▲page top

『信長協奏曲』第5巻、異色の羽柴秀長:林田力

2012年01月03日

石井あゆみ『信長協奏曲』第5巻では天下布武に向かって進むサブロー信長の敗北が描かれる。越前・朝倉攻め連戦連勝を続けていたが、絶体絶命の危機に陥る。そこでのサブローの決断は史実通りではあるが、戦国武将的な常識のない平成の高校生的な内容であった。

この巻では秀吉の弟(後の羽柴秀長、豊臣秀長)が登場する。晩年は暴虐な独裁者となった秀吉への評価は分かれるが、秀長には温厚篤実で善良というイメージが圧倒的である。豊臣政権の暴走も秀長の死を端緒とする見方が根強い。秀長が生きていれば千利休の切腹も朝鮮出兵も豊臣秀次の粛正もなかったとの見解もある。

これに対して、『信長協奏曲』では秀長も曲者である。タイムスリップという特殊性なしに歴史物としても純粋に興味深い。

木下藤吉郎改め羽柴秀吉に対しては竹中半兵衛と明智光秀が警戒心を抱く。信長協奏曲で半兵衛は秀吉よりも信長に惹かれている。その半兵衛が秀吉の配下になる理由が見えてきた。

一般に伝えられている歴史では秀吉は柴田勝家と緊張関係にあったが、光秀とは外様同志ということもあって仲は悪くなかったとされることが多い。一方で本能寺の変前夜には秀吉を比較対象とした信長から、プレッシャーを受けていたと描かれることも多い。たとえば大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』がある。織田家臣団の人間関係にも大いに注目である。(林田力)
http://hayariki.net/index2.html
東急電鉄が大井町線高架下住民に立ち退きを迫る
http://hayariki.net/tokyu/ohimachi.html
▲page top

▲page top