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無題

2012年01月21日

林田力「『テルマエ・ロマエ』第4巻、長編化に賛否両論」リアルライブ2012年1月5日
http://npn.co.jp/article/detail/45919213/
ところが、主人公が現代日本に長期滞在するとなると、より日本の実態が見えてくる。短期のタイムスリップでは日本の風呂文化の美点だけを吸収し、ローマ帝国で応用すれば良かった。これは日本の風呂文化が古代ローマ市民にも通用すると、日本人の民族的自尊心をくすぐるものである。

 これに対し、長編ストーリーでは経営不振となった温泉宿の買収を目論む同業者や大事にされない老いた馬の悲しみなど、日本社会のシリアスな話題を挿入する。単純に日本の風呂文化は秀でていると民族的自尊心を高揚させたい向きには重たい話である。それが「元のワンパターンな展開に戻してほしい」という不評の一因になっている。

『平清盛』『忠臣蔵』貴族的な権威に人間味を対置
http://npn.co.jp/article/detail/93412742/
『バクマン。』第16巻、人気漫画の連載引き伸ばしは是か非か
http://npn.co.jp/article/detail/25733154/
 大場つぐみと小畑健が『週刊少年ジャンプ』(集英社)に連載中の漫画『バクマン。』第16巻が、1月4日に発売された。この巻ではライバルの人気漫画家・新妻エイジの天才ぶりが発揮された。
 エイジは当初から主人公のライバル的設定であったが、大きく突き抜けた存在であり、ライバルというよりも導き手のようになっていた。最近は他の漫画家のエピソードが多く、存在感が弱まっていた面は否めない。それが、この巻では天才肌を見せ付けた。
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『テルマエ・ロマエ』第3巻、入浴しないと臭くなる

2012年01月20日

ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』第3巻(エンターブレイン、2011年)で主人公は山賊の攻撃という生命の危機に直面する。深刻な内容になりそうであるが、あっさりコメディでまとめる点は流石である。
山賊の問題は風呂に入っていないために臭いことである。悪臭が漂う山賊は精神も荒れていた。その山賊が温泉に浸かることで人間性を回復する。現実社会でもマンションだまし売りやゼロゼロ物件の悪徳不動産業者を告発する消費者を誹謗中傷する企業工作員が良識ある人々から非難されたことは当然であるが、中には「風呂に入っていない」と風呂に入っていないことを工作員の人間性と結び付ける非難もあった。意外と正鵠を得た非難と評価である。
『テルマエ・ロマエ』は古代ローマ人や日本人の風呂好きという民族的特殊性で注目される傾向があるが、入浴が人間を和ませるという時代や民族を超えた普遍性も存在する。第2巻でも入浴を通してロシア人やゲルマン人と通じ合った。著者の入浴に対する愛情を込めた思い入れが微笑ましい。(林田力)
https://www.amazon.co.jp/gp/pdp/profile/A4AUUQ84Q18KF
東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った : 林田力/著
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1102708949/
林田力:東急不動産係長が顧客に脅迫電話で逮捕、犯罪者に
http://hayariki.x10.mx/
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『紋章を継ぐ者達へ』第13巻、明確な敵との戦い

2012年01月18日

藤原カムイ『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 紋章を継ぐ者達へ』は大人気RPGゲーム「ドラゴンクエスト」の世界を舞台とした漫画である。この巻ではオーブを手に入れるため訪れた地でアロスとアニスが再会する。各々の目的を果たすために二人は対峙し、圧倒的な敵も出現する。
 『紋章を継ぐ者達へ』は同じ作者の『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』から20年後の世界である。主人公のアロスは前作で活躍した勇者アランとアステアの息子である。主人公の仲間になるリーは剣王キラと拳王ヤオの息子である。その意味で本作品は「キン肉マンII世」や「暁!男塾」などと同様、二世マンガの一種である。
 しかし、本作品は前作ともドラゴンクエストの世界観からも異なる雰囲気を出している。ドラゴンクエストは人間の勇者が、人間を滅ぼそうとする魔王と戦う物語である。人間と魔王の率いるモンスターは対立関係にある。しかし、本作品では魔王に相当する存在は未だ現れていない。しかも、人間の盗賊団が人間の村を襲うなど人間同士が争っている。アロス自身、盗賊団で育っている。善対悪という単純な構図は見えない。
 『紋章を継ぐ者達へ』は魔王という明確な敵と戦う物語ではなく、人々が消え、呪文が失われた謎を解明する物語である。バトルよりもミステリー要素が強い作品である。そこにもどかしさを感じる読者も少なくない。これに対して第13巻は転換点である。
 これまでの単行本の表紙は青を基調とするが、第13巻は黄色である。過去にも第7巻が赤い表紙になっており、そこでは物語の大きな転換点となった。第13巻も同じである。明確な敵との戦いが発生し、敵の狙いも明らかになった。主人公サイドの人物にも大きな変化が生じる。ストーリーのテンポが早まっている。(林田力)
http://hayariki.net/
林田力 新聞
http://hayariki.net/nikkan.htm
林田力こうして勝った
https://sites.google.com/site/hayariki9/
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『銀の匙』『ヨルムンガンド』

2012年01月07日

『謎解きはディナーのあとで』リアルでキュートな北川景子のお嬢様
http://npn.co.jp/article/detail/75653223/
林田力「『銀の匙』第2巻、答は一つではない畜産農業の多様性」リアルライブ2011年12月22日
http://npn.co.jp/article/detail/31620236/
 荒川弘が『週刊少年サンデー』で連載中の漫画『銀の匙 Silver Spoon』第2巻が、12月14日に発売された。『銀の匙』は北海道の農業高校を舞台に八軒勇吾の高校生活を描く酪農学園物語である。この巻では捨てられた石釜を使ってのピザ作りや夏休み中の農場アルバイトなど学校の勉強を越えた実践的な酪農生活が描かれる。

 大自然に囲まれた農業高校生活は読者の大多数を占める都市生活者の対極的な生き方である。主人公の八軒自身も都会的な価値観の中で夢を失い、農業高校生活の中で生きる意味を見出していく。しかし、本書は単純な都会にはない農村の豊かさという二項対立で終わらない奥深さがある。夏休み中に八軒は複数の農場を見学し、乳牛を殺す方針も農場によって様々であることを知る。

林田力「『家政婦のミタ』『専業主婦探偵』ガンバリズム否定の労働者像」リアルライブ2011年12月27日
http://npn.co.jp/article/detail/82400422/
林田力「桃野よしふみ世田谷区議がデジコン問題を説明」PJニュース2011年12月27日
http://www.pjnews.net/news/794/20111225_4
林田力「『ヨルムンガンド』第10巻、不気味な武器商人の意外な一面」リアルライブ2011年12月28日
http://npn.co.jp/article/detail/48757624/
 高橋慶太郎が『月刊サンデージェネックス』(小学館)で連載中の漫画『ヨルムンガンド』が、12月19日に発売された。武器商人ココ・ヘクマティアルと私兵チームの世界をまたにかけた戦いを描く。アニメ化も決定された。
 ココは世界的な海運業者の娘で、武器商人である。自身の護衛や裏家業のために私兵を擁している。クールビューティーであるが、何を考えているか分からない不気味さが漂う。世界平和のために武器を売るという一見すると矛盾する発言をしたココであるが、この巻ではココの野望であるヨルムンガルドの内容が明らかになる。
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『デストロイ』第2巻、ヤンキーへの怒り

2012年01月06日

森恒二『デストロイアンドレボリューション』第2巻では主人公マコトらのテロが本格化する。目撃者も痕跡も残さず、次々と巨大建造物を破壊していく。数あるテロのターゲットの中で主人公らが巨大建造物を選択したことは興味深い。「コンクリートから人へ」を掲げた民主党が国民の圧倒的な支持を得たことが示すようにコンクリート建造物は現代日本において社会悪の象徴である。
テレビ局の挑戦を受けるなどテロ活動は社会の注目を集めるようになったが、一方でマコトは煮え切らない態度である。マコトは同級生との人間的な幸福を見つけ、心は揺れる。あくまでテロに対しては抑制的な手法を厳守していたマコトであったが、幸福を侵害するヤンキーには怒りを爆発させる。ここには悪を憎む一つの正義の価値判断が表れている。
これまで日本社会には社会の屑とでも言うべきヤンキーに甘過ぎた面がある。それが市川海老蔵に重傷を負わせた関東連合の元暴走族のような無法者を生むことになった。この点でヤンキーに対しては人体に直接攻撃する主人公は小気味良い。
しかし、主人公が正義の行動をするだけでは作品として面白みに欠けることも否めない。ここで活動の主体が主人公から、よりラディカルな思想の持ち主に変更される。能力の使用に躊躇がない人物の暴走が予感される展開となった。(林田力)
http://hayarikinet.anime-navi.net/
林田力 の書評
http://www.honzuki.jp/user/homepage/no2431/index.html
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