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『兵馬の旗』第2巻、デカブリストの乱と絡めて描く

2011年11月23日

本書(かわぐち かいじ『兵馬の旗』第2巻、小学館、2011年10月28日発売)は薩摩藩士との対決で幕を開ける。坂本龍馬は刀で向かってくる敵に拳銃で応戦したが、剣術に自信がないという理由で拳銃を使うキャラクターは新鮮である。この巻のメインはロシア留学時代の回想である。ロシアの近代化を求めた反乱・デカブリストの乱と絡めて描くことで、歴史ドラマとして重厚になった。(林田力)
http://hayariki.webnode.com/
林田力:二子玉川ライズ検証シンポジウムで公共性や財政を検証
http://www.hayariki.net/futako/111119sympo.html
林田力 の書評
http://www.honzuki.jp/user/homepage/no2431/index.html

林田力「『静かなるドン』第100巻、惜しげもなくキャラを殺して急展開」リアルライブ2011年11月3日
http://npn.co.jp/article/detail/65076612/
林田力「『ONE PIECE』第64巻、通過点での格下相手にドラマを盛り上げ」リアルライブ2011年11月11日
http://npn.co.jp/article/detail/86684254/
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『銀魂』第42巻、携帯メール依存症は友達が少ない

2011年11月15日

空知英秋が『週刊少年ジャンプ』に連載中の漫画『銀魂』第42巻が、2011年10月4日に発売された。表紙には佐々木異三郎と今井信女が描かれる。この巻では真選組と見廻組の対立を描くバラガキ編が目玉である。普段よりも収録話数を多くしてバラガキ編を完結させており、コミックス読者には嬉しい限りである。
バラガキ編は史実の新選組と京都見廻組の対抗意識を想起させる。過去の『銀魂』でも史実の伊東甲子太郎の離反を下敷きにした真選組動乱編の人気が高く、バラガキ編への期待も高まる。
このバラガキ編はシリアスなストーリーの中でもギャグが冴える。登場人物のセリフに「メールもろくに返さないメル友なら、アドレス帳に残すつもりはありませんから」というものがある。一見すると、まともな台詞に思えるが、これは悪役の台詞である。メールに返信しない側が善玉で、一方的なメールに返信があって当然と考える方が悪玉になっている。しかも携帯メール依存症のキャラは友達が少ないという設定である。「携帯メール依存症だから友達が少ないのだよ」と思わせるキャラ造形になっている。
『銀魂』では第40巻収録のギャグ短編で、メールに即座に返事することで絆を確認するコミュニケーションよりも、リアルな絆を重視する話を描いたが、電子メール依存症への風刺がシリアス長編にも登場した形である。
このバラガキ編では悪役も最後は善人的な面を見せるという日本的なナイーブな展開で終わると見せかけたものの、サプライズが用意されていた。悪役は今後も主人公達の敵として立ち塞がることを予感させる。最終決戦への期待と物語の終幕が近づくことへの寂しさが混じる結末であった。
(林田力)
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『東急不動産だまし売り裁判』TPP反対
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空知英秋『銀魂』に見るゼロゼロ物件業者への対抗価値:林田力

2011年11月04日

空知英秋が『週刊少年ジャンプ』で連載中のSF時代劇漫画『銀魂』が面白い。『週刊少年ジャンプ』2011年44号掲載の金魂・第一訓「ストレートパーマに悪い奴はいない」から突入した金時編は主人公が乗っ取られるという斬新な展開である。家賃を滞納するキャラクターが善玉で、家賃を支払うキャラクターが悪玉という対比が興味深い。
賃貸不動産ではゼロゼロ物件や追い出し屋など賃借人を食い物にする貧困ビジネスが跋扈している。一日でも家賃を滞納した賃借人に対し、サラ金でも行われない未明の家賃取り立てや嫌がらせの貼り紙を繰り返す。また、無断で家屋の鍵を交換して高額の鍵交換費用を請求する。さらに無断で家屋に浸入して家財を処分・換金してしまうなどの人権侵害が行われている。
この種のゼロゼロ物件業者の追い出し行為が許されざる人権侵害であることは当然である。一方で「盗人にも三分の理」という言葉があるようにゼロゼロ物件業者にも拠り所となる論理がある。それは「家賃を払っていない賃借人が悪い」「文句があるならば家賃を払え」である。
家賃滞納という単なる債務弁済の遅延は、追い出しという悪質な人権侵害を正当化する根拠にならない。しかし、残念なことに人権意識の低い後進的な日本社会では、ゼロゼロ物件業者の論理に同意してしまう人々も少なくない。それ故に「住まいは人権」という論理が重要になる(林田力「マンション建設反対運動は人権論で再構築を」PJニュース2011年6月17日)。
http://www.pjnews.net/news/794/20110617_1
ゼロゼロ物件の被害者が被害者でもあるにもかかわらず、家賃滞納者ということで逆に非難される傾向のある日本社会において、家賃は滞納するが、真っ直ぐな魂を持ったヒーローという設定の『銀魂』はゼロゼロ物件業者に対抗する価値を生み出す効果がある。
『銀魂』はパロディや下ネタが多く、PTA推奨という意味合いでの教育的な作品ではない。しかし、単行本第40巻収録のギャグ短編では携帯メール依存症を批判した。また、第7巻収録の第54訓「人の名前とか間違えるの失礼だ」で、追伸の使用をカッコいいと勘違いする無学者を風刺するギャグを描いた(林田力「追伸に対する一考察」PJニュース2010年12月25日)
http://www.pjnews.net/news/794/20101224_9
教育的作品の説教臭さとは無縁ながら、教育的価値を盛り込む『銀魂』に大いに期待する。
http://hayariki.or-hell.com/Entry/11/
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『NARUTO』第54巻、キャラクターの死に注目:林田力

2011年10月29日

岸本斉史が週刊少年ジャンプで連載中の忍者アクション漫画『NARUTO―ナルト―』第54巻が2010年12月29日に発売された。『NARUTO』は木ノ葉隠れの里の忍者・うずまきナルトらの戦いと成長を描く作品である。偉大な師あり、修行ありの少年漫画の王道を歩む。
少年漫画の王道作品としての『NARUTO』の特徴は命の重さを大切にしていることである。一般にバトル中心のアクション漫画では死が軽く扱われがちである。人があっさりと殺されても、何事もなかったように物語は展開する。これに対して『NARUTO』では猿飛アスマや自来也のような重要なキャラクターが作中で死亡し、その死がキャラクターに大きな影響を与えている。
そして『NARUTO』の死の重みは主人公側だけでなく、敵キャラクターにも向けられている。第54巻ではマイト・ガイと干柿鬼鮫が戦う。自身の里で大名殺しなどの重罪を繰り返して抜け忍となった冷酷な鬼鮫が追い詰められた後にとった行動は意外なものであった。回想シーンに登場するイタチの以下の台詞が印象的である。
「どんな奴でも最期になってみるまで自分がどんな人間かなんてのは分からないものだ」
一般的にアクション漫画では味方キャラクターと比べて敵キャラクターの命は軽い。味方は中々死なず、致命傷を負っても回復する。これに対し、敵は後で味方になるような人気キャラクターを除き、倒されたら終わりである。敵のボスが負けた敵キャラクターを「失敗者は不要」として抹殺してしまうケースも少なくない。敵キャラクターは使い捨ての存在である。
しかし、『NARUTO』では敵キャラクターも、かけがえのない存在として扱う描写がある。第44巻では敵であるゼツとマダラが以下の会話をしている。
「しかしここまで来るのにメンバーがこれほどやられるとはな」
「どっかしら問題はあったがみんな己の意思で貢献してくれた。デイダラ、サソリ、飛段、角都、彼ら無くしてここまで進展は無かった」
ゼツとマダラは死んでいったメンバーを哀悼している訳ではないが、彼らの存在を評価し、その死を損失と捉えている。敵味方を問わず、作者のキャラクターへの深い愛情や思い入れを感じさせる。
一方で最近の物語では命の軽さも見られる。長門は外道輪廻天生の術で自ら殺戮した木の葉の忍達を大量に甦らせた。また、薬師カブトは穢土転生によって過去に死亡したキャラクターの魂を甦らせた。物語では忍連合軍と暁の間で第四次忍界大戦が勃発する。死の描き方がどうなっていくかも見所である。
http://www.hayariki.net/naruto.html
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『ハヤテのごとく! 第30巻』深みにはまる:林田力

2011年10月27日

本書(畑健二郎『ハヤテのごとく! 第30巻』小学館、2011年)は『週刊少年サンデー』で連載中の漫画の単行本である。映画化もされた人気マンガの節目となる第30巻では、女性と勘違いされたハヤテの正体が露見する。女装していたハヤテは女性と勘違いされる。
ハヤテにだまそうとする悪意はなく、真相を話そうとするものの、親切心から相手に深入りするうちに、ますます打ち明けにくくなってしまう。これは前の巻から繰り返されてきた展開であるが、巻き込まれる脇役の反応など筋運びの巧みさによって飽きさせない。この巻では遂に真相の告白を決意するが、またもやタイミングを逃し、深みにはまってしまう。そして想定できる限り最悪の状況での真相露見という、あり得ない展開を自然に描く。(林田力)
林田力「『自殺島』極限状況のサバイバルと内面描写」リアルライブ2011年10月6日
http://npn.co.jp/article/detail/49736541/
林田力「『マルモのおきて』スペシャルは癒し度がアップ」リアルライブ2011年10月11日
http://npn.co.jp/article/detail/58375148/
幽霊の法律相談
http://www.hayariki.net/hayachikara.htm
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