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『進撃の巨人』第6巻、組織への不信と信頼

2011年12月13日

諌山創が『別冊少年マガジン』(講談社)で連載中の人気マンガ『進撃の巨人』の第6巻が、12月9日に発売された。前巻までのギャグパートは影を潜め、襲いかかる巨人との緊迫した攻防が展開される。前半と後半で組織への不信と信頼が好対照に描かれた。
前半はアルミンやジャンらと女性型の巨人との対決である。アルミンは女性型巨人が知性を持つことに気付く。さらに索敵能力がズタズタにされ、撤退が定石である状況にもかかわらず、進軍を続ける兵団司令部への疑念も生じ始めた。
後半はエレンが中心になる。エレンの属する一隊は巨人に追われ、後続の兵士を援護することもなく、ひたすら逃走を続けよとの命令が下される。エレンは命令に従うべきか、巨人と戦うべきか選択を迫られる。エレンに求められたものは組織を信頼することであった。
これまで巨人は本能的に人間を襲う存在と捉えられてきたが、黒幕的な人間が背後で操っているのではないかという疑惑も生じた。サスペンスとしては面白くなったが、特定の人間による陰謀であるならば、敵は悪であっても、人間の論理が通じる相手になる。論理が通じないエイリアンとの生存を賭けたサバイバル物としての緊迫感は弱まった。どの方向に作品が進むのか注目である。(林田力)
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林田力『こうして勝った』FriendFeed
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『トリコ』第17巻、価値の多元性

2011年12月09日

島袋光年『トリコ』第17巻(集英社、2011年)は『週刊少年ジャンプ』連載のグルメ・アクション漫画である。『トリコ』は美食會という倒すべき強敵とグルメ界という目的地が明らかになり、物語の奥行きが広がった。しかし、この巻では将来の大冒険に備えた充電期間の色合いが濃く、一話完結のオムニバスも収録されている。その中でも「ビックリアップル」の話が面白い。これは驚かせるほど味が美味くなるという不思議なリンゴである。
『トリコ』の魅力は戦闘には足手まといなシェフの小松が冒険で重要な役回りを果たすところにある。力だけが全てではないという多元的な価値が描かれる。但し、最近では小松の活躍シーンが多く、小松が凄い人であるとのイメージが定着した感がある。これに対して「ビックリアップル」では小松はヘタレに徹している。このような姿があるからこそ、別のシーンでの小松の活躍が魅力的になる。少年マンガのキャラクターは通俗的には欠点とされるような属性を有する方が魅力的であり、それが教育的な効果をもたらす(林田力「空知英秋『銀魂』に見るゼロゼロ物件業者への対抗価値」PJニュース2011年11月4日)。
この話は美食会の暗躍というシリアス長編へのつながりを仄めかして読者を緊張させたものの、お笑いキャラが意外な能力を発揮する落ちで終わる。ここにも価値の多元性が現れている。
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林田力:二子玉川ライズ優先で世田谷区の家計簿に歪み
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林田力/世田谷区政
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『NARUTO』第58巻、奇妙な戦い

2011年12月08日

岸本斉史『NARUTO-ナルト-』第58巻(集英社、2011年)は『週刊少年ジャンプ』連載の忍者アクション漫画である。薬師カブトは穢土転生の術によって、過去に死亡したキャラクターが敵になる。死者にとっては戦わされることが不本意で、自分の弱点や攻撃先を説明しながら戦うという奇妙な戦いが展開される。数多くのキャラクターが入り乱れての戦闘は間延びしがちであるが、風影の母の真実や、操られるだけで終わらないイタチの活躍など飽きさせない展開である。(林田力)
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林田力 三郎
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『BLEACH』第53巻、消化試合でも人気キャラの魅力を深掘り
http://npn.co.jp/article/detail/01818176/
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『よつばと!』第11巻:林田力レビュー

2011年12月07日

林田力「『家政婦のミタ』のエゴと『南極大陸』の協調性」リアルライブ2011年11月22日
http://npn.co.jp/article/detail/65519029/
林田力「『AKB49 恋愛禁止条例』第5巻、高橋みなみが恋する乙女に」リアルライブ2011年11月24日
 元麻布ファクトリーの原作で宮島礼吏が『週刊少年マガジン』に連載中の漫画『AKB49 恋愛禁止条例』第5巻が、11月19日に発売された。人気アイドルグループを扱った漫画であるが、それにとどまらない面白さがある。
http://npn.co.jp/article/detail/43223466/
林田力「『家政婦のミタ』三田灯の過去説明で勢いを維持できるか」リアルライブ2011年11月29日
http://npn.co.jp/article/detail/30442075/
林田力「『よつばと!』第11巻、脇役が主人公を翻弄する逆パターンも」リアルライブ2011年12月1日
 あずまきよひこが『月刊コミック電撃大王』に連載中の漫画『よつばと!』第11巻が、11月26日に発売された。『よつばと!』は5歳の少女「小岩井よつば」の新鮮な日々を綴ったコメディである。http://npn.co.jp/article/detail/49422601/
林田力「『家政婦のミタ』『専業主婦探偵』主人公と脇役の問題を重ね合わせ」リアルライブ2011年12月6日
http://npn.co.jp/article/detail/15950520/
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『BLOOD 真剣師将人』第1巻、親の血筋による能力

2011年12月04日

本書(落合裕介『BLOOD 真剣師将人』第1巻、少年画報社、2011年)は、粗暴なヤンキーが将棋の名人の息子で、父親の借金返済のために闇の賭将棋で勝ち抜いていく物語である。主人公の将人は子供の頃に父親と将棋をしただけで、それ以降は訓練も努力もしていない。その将人がタイトルの『BLOOD』にあるように親の血筋により能力を発揮して勝利する。格差社会を反映した作品である。 対戦相手も過酷な戦場経験で人格が崩壊した米軍兵士など、折り目正しく几帳面な棋士像から乖離している。将棋そのものの描写も少なく、ヤンキー喧嘩漫画のノリである。そのため、将棋ファン向きではない。このままヤンキー喧嘩漫画で終わるのか、ヤンキーとは別世界の将棋の世界の深淵が描かれるのか、注目である。(林田力)
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林田力 福笑いネット
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wiki林田力ブログ
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