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機動戦士ガンダムSEED(TBS 2003.2.1)林田力

2011年09月19日

舞台が宇宙から地上に移り、背景が鮮やかになった。宇宙空間は単調な黒一色なので暗く陰鬱だが、美しい空や海、大地を背景にするとキャラクターもメカも映えて見える。人間の住むところは宇宙ではなく、先祖代々暮らしてきた地球上なのだと改めて実感する。宇宙世紀といっても宇宙に出るのは貧民・難民で、エリートや金持ちは住み易い地球上に残るのがガンダムの不易な世界観だが、それが人間の現実だろう。 宇宙生活者の中には人類は全て宇宙に出るべき等と主張する勢力がいて、地球の政府と戦争になるのだが、最後には主人公達の活躍により、そのような独裁勢力が敗北するのが繰り返されるパターンである。誤解を恐れずに単純化すると地球=善、宇宙=悪という構図になる。現実には主人公達はそこまで割り切って戦っているわけではなく、矛盾・葛藤を抱えている。その複雑さが物語の魅力であるが、少なくとも結果的には、主人公達の戦果が地球連邦政府の支配確立に貢献していることは事実である。

地上での描写はCG技術も手伝って、宇宙でのシーン以上にリアリティがある。戦闘でも砂地の制約や熱による対流を計算しなければならない。宇宙空間では厳しかった副長は地上では同情的で優しかった。地球上では人間的になれるのだろう。

圧巻は街が焼き討ちされるシーンで、住民の怒り、悔しさ、悲しみが強く伝わった。前半部でコロニーが破壊されるシーンがあったが、砂漠の小都市以上に多くの人の生活基盤が破壊され、宇宙のゴミとなったにもかかわらず、コロニー住民の反応からは大きな感情は伝わってこない。キャラクターの台詞にあったが、コロニーは「脆い」という印象を与えただけであった。又、カガリの台詞のように地上生活者の方が宇宙生活者よりも「一生懸命戦っている」と感じられる。

元々宇宙で生活すること自体が人間にとって不自然であり、現実離れしている。コロニーの生活がリスクの多い脆弱なものであるのはその通りであるし、そのようなものが失われたところでその痛みは感じられない。それに比べると地球上の生活は地に足ついたものであり、今まで積み重ねられてきたものを破壊される怒りは容易に理解できる。

林田力「『BILLY BAT』第7巻、ケネディ大統領暗殺の裏面を描く」リアルライブ2011年7月27日
http://npn.co.jp/article/detail/96076948/
林田力「『兵馬の旗』第1巻、現代感あふれる幕末物」リアルライブ2011年8月4日
http://npn.co.jp/article/detail/24062347/
 

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