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『BILLY BAT』アポロ計画の嘘に挑む

2012年05月26日

『BILLY BAT(9)』(講談社、2012年5月23日)ではアポロ計画の嘘に挑む。俄然面白くなってきた。浦沢直樹は『20世紀少年』で高度経済成長期の大阪万博に代表される「人類の調和と進歩」の価値観の歪みを描いた(林田力「業平橋駅がスカイツリー駅に変わる寂寥感」PJニュース2011年1月16日)。『BILLY BAT』では人類の科学史上の「偉大な一歩」と喧伝されるアポロ計画の虚飾に斬り込む。

もともと下山事件という戦後史の闇に切り込むことで注目された『BILLY BAT』であったが、戦国時代の巻物争奪戦など話題が転々として失速した。やはり投げっぱなしは宜しくない。一貫性が大切である。

その後はケネディ大統領暗殺という有名な事件が描かれることで再浮上したが、パンチ不足は否めない。もともとケネディ暗殺事件がオズワルドの単独犯ではないとする見解は広範な市民権を得ている。今更、陰謀が介在したと描いても、ありきたりである。『BILLY BAT』では主人公達の暗殺を阻止しようとする行動がドラマを盛り上げたが、その努力がなんだったのかというほどに暗殺後は公式見解通りの展開になった。

「人類は月に行っていなかった」とするアポロ計画の捏造説も知られた話である。月面着陸は地球上のスタジオで撮影されたものとする。アポロ計画には以下のような疑問が提示されている。

空気も風もないはずの月面で星条旗がはためいている(林田力「科学信奉者への反感」PJニュース2010年11月13日)。放射能防御を施していないロケットがヴァン・アレン帯を通過して人員が無事なはずはない。月面では重力が地球の1/6であるにもかかわらず、ビデオの中での物の落下速度が地球上のものと同じである。

アポロ計画陰謀論は権力だけでなく、科学という権威にも挑戦するものである。世の中には「非科学的」とラベリングしたがる科学信奉者もいる。それ故にアポロ計画の陰謀を描くことはケネディ暗殺の陰謀を描くこと以上にスリリングである。さらに『BILLY BAT』ではアポロ計画陰謀論の関係者に下山事件と接点のある人物が登場する。物語の初期のテーマと繋がった形である。(林田力)
http://www.hayariki.net/5/48.htm
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